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2018年春祭本「東雲」 - 達磨

2018/12/26 (Wed) 11:44:23

なんやかんやで出た意見・感想を載せます。

Re: 2018年春祭本「東雲」 - 達磨

2018/12/26 (Wed) 11:47:02

④ジオスミン(作 藤岡柊哉)
12/15実施のなんやかんやより。

長いので2分割してます。

Part1

作者から
編集君の家で締め切り前夜に徹夜で書いたやつ。ジオスミンというのは雨が降ったあとの地面も匂いの成分の一種。(ゲオスミンとも言う。)
ノアの方舟で大洪水の原因の一つとして、彗星が地球に急接近したことが挙げられていて、そこから着想を得てます。

・「君の名は。」のフレーバーを感じた。

・やさしい文章だなーって、冊子を読んだ友達が言ってた。

・裏設定として、お母さんは空に行けたんですか?
作者)空に行けました。
・うわあーー。(悲鳴)

・女手一つで娘を育てて、最期まで娘のことを思ってて、最期は娘も母親のことを思ってるっていう関係いいなーと。えもーー。
・大災害っていう状況で互いを思いあうの、えもいなーー。

・週末に終末っていうのが好き

・p24の一番最後に電車で向かうシーンで、海の描写や二人の静けさが、えもいなーと。電車の中に二人きりなのもえもい。運転手もいなくて良いくらい。
作)じゃあ自動運転ってことで。宇宙に移住できるんだったら、自動運転もあるでしょ。

・綺麗な景色に海を選んだのはなぜ?
作)以前、千葉県の南のほうに行ったことがあって、そんとき海がきれいだったから。

・登場人物の名前の由来は?
作)川島瑞香:沈丁花の花言葉がグローリー(栄光、不滅)で、愛は不滅。
(沈丁花の別名が瑞香(ズイコウ)。)
大洪水で世界は滅ぶけど、海は不滅で、親子の形も元に戻る。
杉崎君は特にない。

・全員死ぬエンド好き。そういう要素がありながら、終末が来るのにすごい綺麗な終わり方。綺麗なままで世界がリセットする形がすき。

・杉崎君の好青年感。
作)じゃあ、それを書けるボクも好青年ですね。

・夏の「あまりにコントラストのきつすぎるこの季節」っていう表現好き。
長い長い雨があって世界が終わるっていうとこ好き。(実際にはそうでないだろうけど、)雨が降って静かに終わる感じ好き。

・本来であれば交わることのなかった二人が、最後に出会いに感謝してるところエモい。母親のことを慮るのがエモい。全部降っても海は変らずに輝いてるってのがエモい。

・綺麗なものといえば、海。水が全てを押し流してしまうのに、荘厳で美しいっていうのが良い。滅ぼすものがきれい。

・世界が終わる前の二人だけの世界の静けさと、終わりに対して何もできないやるせなさが好き。

・タイトルを決めたタイミングは?
作)作品の途中で。タイトルに、雨にまつわる言葉をつけたかった。終盤でタイトルの伏線を回収できるように作った、はず。
・全部押し流したあとの世界の雰囲気がタイトルとマッチしているなーと。

・解釈違い起こしそうだけど・・・。調べたら、どうやら土の中の一部の微生物とかが「ジオスミン」を放出するらしい。長い長い雨が、土も植生もすべて押し流してしまうのが、思いが届かないっていう感じがしてエモイなーと。
作)ありがとうございます。

・杉崎君と川島さんが駅のホームで分かれて教室に向かう描写があったけど、校舎そんなに離れてるの?
作)まぁ方向は一緒だけど、同じ教室に行くわけでないので、そこまで親しくない二人だったら分かれるんじゃないかんーと。積極的に一緒にいるほど、二人は仲良い訳ではない。
・そんな二人が最後に・・・。エモい!

・藤岡君と碓氷君似ているな・・・と。
男の子と女の子がちゃんと挨拶してくれていいなー、と。会話が始まることはなくても、挨拶は返すっていうのが好き。
作)まぁ、僕も挨拶返してほしいんで。そういう気持ちを込めて。

Re: 2018年春祭本「東雲」 - 達磨

2018/12/26 (Wed) 11:48:50

④ジオスミン(作 藤岡柊哉)
12/15実施のなんやかんやより。

長いので2分割してます。

Part2

・「これから長い長い雨が降る。・・・(略)」っていう1段落の描写、完璧に好き。

・夏を嫌う理由が、夏が不快だから、とかではなくて、夏は煌びやかと褒めつつ、くすんだ自分には似合わないと劣等感を抱く。そういえば夏でも夕立は好きだったな。そんな瑞香の性格いいなー、と。瑞香の夏に対するイメージはどんなだったのだろう?
作)季節の好き嫌いに対する理由は、きっと人それぞれ。瑞香の場合、端的に言うと、

→ウェイの季節。
→友達が多ければ多いほど楽しい季節。
っていうイメージ。
夏は光が強くて、影はさらに濃くなる。それは人間関係も同じ。煌びやかなものが輝いて、そうでないものは夏に取り残される。そういう劣等感から夏が嫌い。
それでも、夕立が来ると、どんな人も平等に屋内に駆け込むだろうし、夕立が降った後の、世界に誰もいないような静寂は好き。
こんな感じだと思う。

・二人で寝っ転がって、彗星大きいなー、とか喋ったりしながら、二人の間の静寂を一陣の風が通り過ぎるような感じ。瑞香が「誘ってくれてありがとね」とつぶやく。それと同時にザーッ、と雨が降り始める。一気に二人の間の静寂がなくなるのがエモイなー、と。
映像表現だと、一気に雨が降り出すことでこの作品の趣が壊れてしまいそう。
作)急に降り出した雨の音で返事が掻き消される。夕立が声を掻き消すのはありえるんじゃないかなー。
・実際には、夕立でも雨の降り方はもう少し連続的なので、雨が降り出す段階の描写があっても良かったかも?
作)その降り出した雨、数滴を描写する隙間はないかなーと。その一文を挟むことによって夕立のスピード感が薄れていくと思った。

・話の結末的には瑞香ちゃん救済エンドだけれど、自分にはどうしようもなく世界は終わってしまって・・・、お母さんと離れて・・・それでも・・・。(感極まり、まとまらない)
客観的には結末がしんどいけど、瑞香ちゃんの救済エンドとしてはいいなー。

・冷静に考えると、お母さんが瑞香ちゃんを探しに来てしまうのでは?とか思いますけど・・・。
・それを分かっていて宇宙船に乗らなかったのかも。置き手紙も書いたし、お母さんが船に乗ってくれるように色々と補強はしたし。
作)瑞香が冷静な判断をし、現実と向き合ってこの判断をしたかどうかは微妙。非常事態だし。お母さんが船に乗ってくれるといいなー、という希望的観測もあったでしょう。

・最後に大雨が降り出す場面。世界にとっては悲しいし、母親は瑞香のことを探しているかもしれない。けど、瑞香ちゃんは希望を見出している。そんなドラマがあって、明と暗の対比がいいなー。

・自分が好きなにおいを相手も嗅いでくれて、好きなものを共有できることに喜びを感じる。いいなー。

・瑞香ちゃんは陽キャと影キャ、どっち寄り?
作)やや陰寄り。友達がいなくはないけど、積極的に友達と関わるかは微妙。遠慮がち。
・成る程。杉崎君と海に行く予定を決めるやりとりからも、瑞香は卑屈っぽいけど、実際に海に行くと楽しんでそう、って思う。
作)自分は母子家庭じゃないので、あくまで想像だし、気に障るようなことがあったら申し訳ない。母親のことを思うと・・・、っていう思考を繰り返してたら、瑞香は少し沈みがちになった。母子家庭が原因で・・・、というよりは、母子家庭で周りに気を使われたり、気を使ったり・・・、という二次的な事柄に起因した劣等感かなー。

最後に作者から一言。
・思ってた以上に皆読んでくれてたなー、と。後半にかっとばして書いてるのを後悔。序盤とかの海に関する描写だけ気合入ってるのが面白い。
次こそは徹夜しないです!!

Re: 2018年春祭本「東雲」 - 達磨

2018/12/28 (Fri) 18:49:11

「名付けられたものたち」(きこりA)

9/28実施のなんやかんやより。
(投稿遅くなってすいません・・・。)

・作者から一言
タイトルから決めて描き始め、それに話を合わせた。シリーズ物の続編で、過去について掘り下げてみた。前の話読まないと分からないところがあるかもしれないです。そのときは聞いてください。

・確かに見覚えがある。続き物ってことを聞いて、成る程と思った。

・シーンが切り替わる時にナンバリングしてある。視点変化と時間変化が同時で、シーンの切り替わりが分かり難かったかも?

・名づけをする時に何を考えているんだろう?って思うような名前の響きが好き。
作者)漢字じゃなければ、特に意味を考えなくていいなーと。村長の名前は重い響きの名前にしたかった。

・なんでヤヌアはハインリヒという名前をつけた?
作)特に理由はないです。

・村長のボンザとかいう名前大好き!あと書いてる時に設定が次々足されていくの分かるよ。

・ハインリヒはドイツっぽかったけど、舞台設定はあるの?
作)ヤヌアとハインリヒはドイツだけど、設定的に他の人は違う雰囲気にしたかった。

・怨霊を出して、今回の事件を起こしたかった意図はなに?
死体が転がってて、ヤヌアが歩いている雰囲気がすごい好き。
作)先に怨霊、ハインリヒがいて、雪に埋もれて何もかも覆い隠されているっていう状況を書きたかった。個人的なギミックとして、80p上段の歩いていて躓くっていうシーンは、雪の下に死体が埋まっていて躓いたっていう裏設定がある。あと、怨霊そのものは残しておけば後々の展開や伏線に使えるかなーと。

・目線が変わったシーンの切り替わりが、読んでいった後で気づくって感じでした。
表現が深くて広くて、前の話を知らなくても情景とかが想像できた。
会話文がなくても読めるのがすごい。時々句読点とか脱字がちょっとだけ気になった。

・異国風な雰囲気、自分の生活と隔離された世界、続きものを書く上でのポイントとかありますか?
作)外国の写真とか好き。主人公になったつもりで没入するのは好き。写真とかこの時代にどういうものがあったっていうのは調べるといいかもしれない。(僕はあまり調べてないけど・・・。)

作)ハインリヒをどうやって追い詰めようかっていうのに力をいれました。
敗北感より無力感のほうがより打ちのめされると思った。その無力感っていうのがうまい具合に伝わっていればな・・・と。
・p83の描写から、何もせずにいるっていうのがハインリヒさんにとって堪えるのだろうと思った。
・途中で無力感が嫌っていうのが書いてあった気が。
作)字面だけの無力感になっていないか心配。無力感のごり押しになってないかな?と。
・ふわっとなんだけど、なんでここまでと思う無力感はあった。
・持論だけど、無力感は「自分がどうもしてない空白」に対して感じるものだと思う。
何が欲しかったっていうのが分かると無力感が分かりやすいかも。
・無力感どころじゃないネガティブをごり押ししてくる作者が文藝部にいっぱいいるから、そんなに違和感とかは感じなかったかな(笑)。
・伝わらないよりは、くどい方がいいんじゃないかなー?と。

・鍛冶場と火事場の二つがあるけど、本人的にはどう?
作)ハインリヒの遠くだと鍛冶場、近くだと火事場。基本的には鍛冶場が火事場。(笑)

・最後に一言
書きたかったところに違和感があったとか、この作品全く分かんないとかではなくてよかった。誤字等が多かったのは大変申し訳ないです・・・。「かじば」のダブルミーニングは意図的ではなかったけど、これをどこかに生かせるといいな。

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